出典:[impawards]

無線がつなぐ、時を超えた親子の絆。オーロラが叶えるファンタジー・サスペンス。12月は大人にも奇跡がおこります。

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あらすじ

~1969年・ニューヨーク~

異常気象によるオーロラが観測されていた深夜、消防士のフランク・サリバンは地下変電所の火災現場へと向かっていました。

 

変電所ないに取り残された作業員と充満するガス。

周囲の制止を押しきり、けが人の救助に向かったフランクは、あわや大爆発の危機をすんでのところで逃れ、救出に成功します。

 

翌朝、看護師の妻ジュリアと息子ジョンの待つ自宅へと帰るフランク。

優秀で仕事熱心ながら、少々無鉄砲な夫を心配するジュリアですが、

仕事柄いつも危険と隣り合わせではあるものの、穏やかな時間が流れます。

 

~1999年・ニューヨーク~

30年前と同様に、ニューヨークで観測されたオーロラを、大人になったジョンは倉庫火災現場で殉職した父親のことを考えながらぼんやりと眺めていました。

 

子供のころから住み続ける我が家。

ついさっき、同居していた婚約者が出ていった家に戻ると、そこには幼いころからの親友ゴードンが息子と一緒に遊びにきていました。

 

ゴードンの息子が亡き父のアマチュア無線機を発見し、盛り上がった3人は、生前のフランクが使っていたように同じ机に設置し通信を試みますがうまくいきません。

出典:[TORONTOIST]

しかし、ゴードン親子が帰っていった後も、ジョンはなつかしさからかアマチュア無線機をいじくります。

すると幸運にもどこかの誰かと無線が繋がり、ジョンはうれしくなっていろいろと話し出します。

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お互い野球好きなことが判明し、話に花が咲く二人。

しかし、なぜか相手の話は1969年ワールドシリーズのニューヨークメッツの話ばかり。

加えて、聞きだした相手の無線機の番号はジョンが今使っているものと同じ。

少々不思議に思いつつも、楽しさが優先して、会話を続けていると、無線の無効から懐かしい言葉が聞こえます。

 

「こっちだ、チビ隊長」

それは、亡き父がジョンに付けたあだ名。

 

その瞬間、ジョンは全てを悟ります。

無線機の無効にいるのは、1969年に殉職した父、フランク・サリバンであると。

この事実に衝撃をうけつつも、ジョンの脳裏に一つのアイディアが浮かびます。

 

もしかしたら、父の死を食い止められるのではないか…

 

そう気が付いたジョンは、無線機の向こうの父に必死に事情を説明しだします。

自分が30年後の息子ジョンであること。

フランクが近々、倉庫火災の現場で殉職することになること。

しかし、フランクにたちの悪い悪戯だと思われ、「うちの息子に近づくな!」と言い残され、無線を切られてしまします。

 

~1969年・ニューヨーク~

翌日、いつも通り出勤するフランク。

しかし、昨晩の謎の男の話が頭から離れない中、火災の連絡が入ります。

 

火災現場は倉庫。

さらに、現場に向かう道すがらラジオを聞いていると、メッツの試合は謎の男の話した通りに展開。

しかし、男の話が真実であると心のどこかで確信しつつも、理性がそれを許さないフランク。

 

そうこうしているうちに、倉庫最上階に取り残された少女を一人救出に乗んだ結果、火の手に退路を奪われ、絶対絶命のピンチに陥ります。

 

「倉庫火災…他の逃げる道なら助かる…」

ふと脳裏に蘇った、謎の男の言葉に従い、床下に荷物のシューターを見つけ出したフランク。

すんでのところで難を逃れ、少女をつれて生還をはたします。

 

~1999年・ニューヨーク~

落ち着かない一日を過ごしたジョン。

帰宅すると、無線機を置いた机に焼き付けられた文字を発見します。

 

「俺は生きているぞ、チビ隊長」

 

すぐに無線に向かい話しかけると、そこには父の元気な声が。

と同時に、ジョンは自分の脳内に新しい記憶が生じていることに気づきます。

火災で殉職した父と肺がんで亡くなった父。

瞬時に事態を理解したジョンは、父に強く禁煙を勧めるのでした。

 

父を死から救い、穏やかな気持ちで眠るジョンですが、悪夢にうなされます。

父と共に誰かの葬儀に出席する幼い自分。

目覚めたジョンは、嫌な予感を感じ、遠くで暮らす母へと電話をしますが、つながった先は聞いたこともないようなバー…。

 

翌日、署に出勤したジョンは30年前に発生した看護師ばかりが被害者の連続殺人「ナイチンゲール連続殺人事件」の被害者と思われる、新たな死体が発見されたと知らされます。

何気なく、事件ファイルを開くと、なぜかそこには母ジュリアの写真が。

どうやら、ジョンとフランクが過去を変えたせいで、タイムパラドックスが生じてしまったのでした。

 

その晩、事態の収拾を図るべく、ジョンとフランクは犯人逮捕へと奮闘し始めます。

キャスト

ジョン・サリバン

出典:[Movieman’s Guide to the Movies]

サリバン家の一人息子で刑事。父フランクの影響で野球を続けていたもののケガが原因でプロは断念。今は趣味として楽しむに止めています。

 

フランク・サリバン

出典:[Movieman’s Guide to the Movies]

正義感溢れる、仕事に誇りを持つ消防士。一人息子のジョンと妻ジュリアを愛する良き父親でもある。ニューヨークメッツの大ファン。本来は倉庫火災で亡くなるはずが、ジョンの助言で危機を逃れます。

 

ジュリア・サリバン

出典:[Author Dennis Higgins]

フランクの妻で看護師。フランクが生き残ったタイムパラドックスで「ナイチンゲール事件」の被害者になってしまいます。

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見どころ

出典:[flickchart:the blog]

ビデオ通話が誰でも気軽にできる現在だからこそ、

声だけの、しかも誰ともしれない相手とのリアルタイムでのコミュニケーションというはどこかロマンあるもの。

顔を合わせてではうまく話せないことも、こういった手段を介せば不思議と話せてしまうことは、アマチュア無線の経験がない人にも、想像に難くありません。

 

北欧神話では、オーロラは地上と神々の世界を橋渡し、

イヌイットの言い伝えでは、精霊が地上の人間に話しかけているのだとか。

実際に高圧送電網や通信システムを混乱させることもあるオーロラ。

オーロラの効果で過去の父親とつながる。

大人も、信じたくなるような粋な設定もこの映画の魅力です。

 

感想

出典:[WIKIPEDIA]

たまにはこんな穏やかなサスペンスもよいかも?と思わせてくれる作品です。

タイムパラドックスを扱いながらの犯人探しとミステリー要素も満載の本作ですが、なんと言ってもファンタジー要素が要。

 

オーロラの効果で30年前、生前の父と無線でつながる…。

人間一人が過去や未来へと旅するようなSFの王道、タイムトラベルだと、頭のどこかで完全なるフィクションだと思ってしまうものです。

(もちろん、これはこれで楽しめるのですが)

しかし、過去とつながるのが声だけとなれば、不思議とこんなこともあるかと、心のどこかで思ってしまいます。

 

また、准然たるミステリーやサスペンスだと一筋縄では行かない展開になりがちです。何かを得るためには同等の犠牲が生じます。

しかし、本作はファンタジー。殺人事件は起こるものの、サスペンスとしては全体的に穏やかです。

季節は折しも、クリスマスシーズン。

12月は大人にも奇跡が起こるのかもしれません。

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