実在した天文学者ヒュパティアと古代エジプト最終王朝における学究都市アレクサンドリアの斜陽を静かに描いたスペイン映画。
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あらすじ
舞台は古代エジプト。学究都市のアレクサンドリア。
哲学者・数学者・天文学者にして、新プラトン主義哲学校の校長でもあるヒュパティアは学生を前にして、天文学の教鞭をとっています。
傍らには実験助手も務める奴隷のダオス。
公聴する生徒たちは、生まれも育ちも信仰する宗教もバラバラで、当時のアレクサンドリアの縮図といったところ。
不穏な世情は、教室内にも忍び寄り、異教徒の生徒間にも喧嘩が勃発しそうになりますが、ヒュパティアは穏やかにこれらを治め、ここはあくまでも物事の真理を追究する場であると生徒を諫めます。
真理と平和を愛するヒュパティア。
出典:http://d.hatena.ne.jp/globalhead/20110401/p1
しかし、彼女の努力もむなしく、何とか保たれてきた均衡も徐々に崩れ始めます。
街頭演説を行うキリスト教徒が古代の神々を軽視したことを発端に、科学者たちがキリスト教徒武力をもって弾圧。両者とも多くの死傷者を出す惨事となります。
事態の裁きを求められたキリスト教徒のローマ皇帝は、科学者たちの罪を問わない代償に、図書館の放棄を命じます。
こうして70万冊とわれる蔵書を誇ったアレクサンドリア図書館は破壊され、多くの知識が失われていくのでした。
これを機に、アレクサンドリアではキリスト教とユダヤ教の信仰のみが認可され、それ以外の宗教や思想は全て異端とされ、多くのアレクサンドリア市民がキリスト教に改宗し、ダオスも悩んだ末に修道兵士としてキリスト教になります。
数年後、ローマ帝国は東西に分かれ、オレステスは改宗してアレクサンドリア長官に、シュネシオスも今や主教となります。
そのころには、キリスト教の勢力はますます拡大し、ユダヤ教をも弾圧され始めますが、ヒュパティアは改宗することなく、ただひたすらライフワークともいえる天動説について研究を続けます。
今やヒュパティアのよき理解者となったオレステスは、彼女の身を案じ、なにかにつけて彼女を擁護します。
しかし、その座を狙う強硬派キリスト教徒のキュリロス主教にそこをつかれ、ヒュパティアをかばったオレステスを死へと追いやります。
異端の魔女。
キリスト教の勢力が増す、アレクサンドリアにおいて、どの宗教も信仰することなく、ひたすら真理を探究し続けるシュパティアの身は、後ろだてを失い、より危険にさらされます。
そんな極限状態においても彼女は惑星と地球の動きを研究を続け、やがて一つの結論にいたります。
太陽の軌道は円ではなく、楕円。
…やはり、真理は美しい。
そう確信した矢先、彼女に悲劇が訪れます。
キャスト
ヒュパティア:レイチェル・ワイズ
哲学者、数学者、天文学者。古代エジプトを代表する学者であり、新プラトン主義哲学校の校長。美しく、聡明で、現存するキュレネのシュネシオス(後のプトレマイオスの司教)との間の書簡からも、多くの生徒を魅了したことがうかがえるものの、生涯学問の探求に専念した。キリスト教への改宗を拒み、科学的な探求を続けたため、異端の魔女と見なされ、キリスト教徒により虐殺された。
ダオス:マックス・ミンゲラ
ヒュパティアにつかえ、シュパティアを慕う奴隷。研究や授業の助手を務める傍ら、学問に興味を持ち始める。才能を開花させるも、後に強硬派のキリスト教徒になり、ヒュパティアの元を去る。
オレステス:オスカー・アイザック
出典:https://blog.goo.ne.jp/barriosmangre/e/4888fab3e7d94fc04ae717bb95a69f21
シュパティアを愛した弟子。求婚するも見事にふられるが、その後も師匠と弟子、時には友人として、強硬派キリスト教徒の勢いが増すアレクサンドリアで、孤立しがちなヒュパティアを支え続ける。
シュネシオス:ルパート・エヴァンス
ヒュパティアを慕う弟子。キリスト教徒で、後にキュレネの主教になる。
見どころ
ハリウッド映画とはうってことなり、全体的に静かに物語が進行していく映画です。焦点はもちろんヒュパティアに当てられていますが、物語の目線は主に奴隷のダオス。ダオスの目を通して、ヒュパティアの学問に対する真摯な姿勢とそれを拒んだ当時の政治的、宗教的が描かれています。
そのため、歴史上有名な学者という無味乾燥しやすい題材を、信念を貫いた気高い一人の女性の一生としてみることができます。
感想
出典:[alchetron]
ヒュパティアが天文学者なので、全体的に夜空のシーンが多く、古代エジプトの衣装やアレクサンドリア図書館をはじめとしたセットなど、美しいシーンが多い映画です。
ヒュパティアを演じているのは、ハムナプトラでおなじみのレイチェル・ワイズ。そういえば、その時も研究者でした。学究的なヒュパティアは、まさにはまり役だったように思います。
役者さんたちの演技力のおかげか、まるで当時のアレクサンドリアでの生活を切り取ったような印象を受けます。当時の奴隷制度をはじめとしたローマ式社会秩序、異民族都市の中のユダヤ教、現体制への反発を強め建築物の破壊や暴徒化するキリスト教。歴史事実だけ連ねると、だれが悪いと悪役を作りたくなってしまいますが、実際はそんなことはないわけです。
誰か一人が悪いわけではなく、誰もが少しずつ判断を誤り、くわえて時代の波のようなもはやその時代を生きる人々が抗いようの無いものも居り合わさって…。
結果、人類の宝ともいえるような人物が虐殺される事件が起きてしまう。そういった点において、なんともリアルで、静かに考えさせられる映画です。
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