とてもダンディな声優・森山周一郎さんが2月8日に肺炎のため逝去したことが発表されました。
森山周一郎さんはその紳士で落ち着いた渋い声で、俳優や声優・ナレータとして幅広く活躍しました。
映画「紅の豚」では主人公「ポルコ・ロッソ」の声を担当、ドラマ「刑事コジャック」では吹き替えを担当していました。
森山さんの追悼の意味を込めまして、声優になったきっかけや代表的な演じたキャラクターをご紹介していきます。
森山周一郎のプロフィール
名前:森山 周一郎(もりやま しゅういちろう)
本名:大塚 博夫(おおつか ひろお)
出身地:愛知県名古屋市
生年月日:1934年7月26日(享年86歳)
身長:173㎝
血液型:A型
職業:俳優、声優、ナレーター
事務所:オフィス森山(最終所属)
趣味・特技:野球、ゴルフ、麻雀、囲碁
声優になったきっかけは?
(若い頃の森山さん)
愛知県名古屋市生まれ。
犬山高校では野球部に所属で、大の地元・中日ドラゴンファンででした。
日大芸術学部映画学科中退後、劇団東芸1期研究生となりました。
舞台出身であったことからNGを出すことはほとんどなく、中川信夫などの監督らに気に入られていました。
NGを出さないのはすごいですね!!
低く渋い声質を買われて、20代の頃になんと30歳年上のフランス映画スター・ジャン・ギャバンの吹替を担当しました。
若い頃から才能が開花していたんですね。
森山さんご自身がジャン・ギャバンの吹き替えをしていた当時を回想していました。
“僕に言わせると、ジャンギャバンは本当にクセの悪い俳優でね(笑)。
彼の作品には必ず食事のシーンがあるんだけど、その食べ方が実にうまいんだ。ナイフとフォークの使い方なんて俳優として名人級です。画面の中で彼が何を飲むと、こっちはその音を入れなければいけない。しかもすぐにタバコを吸う。タバコをくわえるとセリフの発音が変わるから、こっちもタバコを用意しておいて、画面を見ながら彼がくわえるとパッとくわえる。彼が外すと僕も外す。そんなの間に合わないから、慌てて台本の端をちぎって口に入れるんだ。
食事のシーンでは、実際に何かを口にいれてしゃべらないと臨場感が出ないからね。もちろんそのまま食べちゃいますよ。画面を見ながら実際の演技をするというのは、僕だけじゃなく、先輩たちもみんなやってきた名人芸みたいのものなんだ。”
テレビ洋画劇場初期からギャバンの吹替を当たり役にして活躍していましたが、ハマり役であったためにギャバン死後の一時期、本人の回想では「森山も引退か…」と囁かれるほど、仕事が減ってしまったそうです。
代表的なキャラクター
紅の豚 主人公のポルコ・ロッソは森山さんが演じた中で1番知名度の高い人気のあるキャラクターではないでしょうか?
ポルコに決定するまでのエピソードを、次のように語っています。
“ある日、自宅の電話に宮崎駿さんから電話が掛かって来た。
「はい、森山ですが」「どちらの宮崎さん?」知らないとは怖いものである。
“え!?アニメのナレーター?”私の意識の中ではアニメは子供が見るマンガである。
にわかに顔が曇ったところに、間髪入れず娘が「お父さん!断っちゃダメ!!」とバッテンリアクションをした。
普段の娘とは様相が違うことを察知し、「はい判りました、お伺いします」と答えた。”
愛する娘さんの一言で決定した役だったんですね。
きっと、娘さんも今でも喜ばれていると思います。
あの、スタジオジブリの主人公をお父様が演じたのですから…後世に語り継がれていきますね。
アメリカの刑事ドラマ・刑事コジャックの主人公、刑事課セオドポラス・コジャック警部補(“デカ長”・“チョーさん”)も当たり役。
なんと、コジャック警部補を演じるために、頭を丸坊主にして挑んだという森山さんの気迫がすごいです!!
(左が森山さん。どことなく、コジャック警部補と似ている!?)
TBSが社運を掛けてやったと言われている刑事コジャックだったので、森山さんの気合いも相当なもの。
通算123本収録した訳だがこの6年間、森山さんは風邪を一度も引くことなく演じ切りました。
「風邪を引いてはいけない!」と、相当体調管理を徹底していたとのこと。
コジャックと同じ様に収録時は三つ揃えのスーツで臨み、裏地が真っ赤の全く同じコートまで誂えました。
苦労の甲斐があり、刑事コジャックは大人気ドラマに!!
コジャック警部補を演じた俳優・テリー・サバラスには「シュー、俺を日本で有名にしてくれてありがとう」と大きな手で握手をしてくれたとも語っておられました。
朝ドラにも出演していました
(左が森山さん)
朝の連続テレビ小説・エール(2020年) には、主人公・古山裕一の母方の祖父である権藤源蔵を演じていました。
筆者も観ていたので知っています!!
権藤家は銀行を経営する大実業家で、源蔵は福島でも屈指の資産家として実物する人物です。
監督からは迫力と厳しさのある演技を求められたとうで、茂兵衛も気難しい人物として描かれています。
本当に迫力のある叱り飛ばすシーンがあり、森山さんも相当気合いを入れてのぞんでいたと言っていました。
2020年頃には死亡説が流れていたようで、同年の連続テレビ小説『エール』出演の告知の際にはTwitterで「死亡説なんて吹き飛ばせ!」とツイートしました。
すごく失礼ですね、死亡説を流すなんて…。
元気なお姿をお茶の間に見せてくださって、ありがとうございました。
まとめ
いかがだったでしょうか?
また一人、名優が亡くなりました。
ひとつひとつの役に対して愛情や気合いを持っている名優さんの死は辛いものがありますね…。
森山さんのご冥福をお祈り致します。
たくさんの感動をありがとうございました。