出典:[alamy.com]

イタリアの聖人アッシジの聖フランチェスコの青年期を描いた、伝記映画。美しい風景と歌が魅力の心洗われる作品です。

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あらすじ

13世紀イタリア。

土埃舞うアッシジの街を一人の浮浪者が彷徨い歩きます。

何かにおびえながら歩く足取りはおぼつかなく、案の定、道の途中で行き倒れてしまいます。

 

彼の名前はフランチェスコ。

アッシジの裕福な商家に生まれた跡取り息子で、友人たちと戦争に騎士として赴き、熱病におかされてために一人帰ってきたのでした。

 

 

家に担ぎこまれ、治療を受けるものの、うなされ続けるフランチェスコ。

友人たちとの遠乗り、出征前のミサ…

出征前の日々が走馬灯のように思いだされます。

そんな朦朧とした意識の中、フランチェスコは、ふとベランダで鳴くヒバリの声に目覚めます。

出典:[FILM COMPLETI SUL WEB]

それまでは、別段気にも留めたこともなかった鳥の声に、なぜか心引かれるフランチェスコ。

屋根の上でヒバリをそっと両手で包み、空へ返した時、空虚感に苛まれていたフランチェスコの心はなぜか満たされたのでした。

 

熱病から覚めたあとのフランチェスコは、これまでと同じように世の中をみることができなくなります。

真摯祈る貧者、ミサに足しげく通う着飾ったお金持ち、豪奢な衣装に身を包む太った司教。

世の体制に矛盾を感じたフランチェスコは、財産をすべて捨て、身一つで神に使える決意をし、廃墟と化したサン・ダミアーノ教会を立て直し始めます。

 

雪降る中、粗末な服にはだしのまま、しかし、楽しそうに、フランチェスコは石を積み上げ続けます。

そんなフランチェスコを気味悪がり、遠巻きにしていた人々も、徐々にその誠実さに共感し、十字軍から帰還した友人ベルナルドをはじめ、徐々に賛同者が増え始めます。

出典:[Ktismatics]

ついには、廃墟と化した教会は息を吹き返し、多くの庶民が押し寄せるようになります。

 

初めはフランチェスコの行いを気にも留めいてなかった司教。

しかし、日に日に影響力を増すフランチェスコに脅威を感じ、ついに一策を講じます。

 

司教の陰謀により、サン・ダミアーノ教会は焼かれてしまいます。

さらにその際に、仲間の一人が殺されてしまい、悲しみに暮れるフランシスコ達。

自分達の行いは間違いだったのだろうか。

彼らはその答えを得るべく、時のローマ教皇、インノケンティウス3世に請願するため、ローマへと向かいます。

出典:https://ameblo.jp/hokuto31313131/entry-12247991483.html

聖人フランチェスコの出家からローマ教皇への謁見までの青年期を描いた伝記的作品です。

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キャスト

フランチェスコ

出典:[The Wild Reed]

聖フランチェスコは中世イタリアで最も有名な聖人の一人です。

「清貧の聖者サンフランチェスコ」とも呼ばれ、「清貧・労働・謙譲の徳」を徹底した教団を作ります。

自然との調和を重んじ動物とも心が通じ、教会再建に必要な資材の喜捨を歌で呼びかけたとの逸話が残っています。

クララ

出典:[The Wild Reed]

フランチェスコと同様、裕福な家の出ながら、私財をすべてなげうって、聖フランチェスコに帰依した少女。

映画では描かれていないものの、フランチェスコ会の女子修道会(クララ会)の創始者として、イタリアの聖人にも数えられています。

ベルナルド

出典:[LIBRISCROWE]

フランチェスコの親友の一人。

十字軍の遠征から帰還後、雪降る中一人で教会を立て直すフランチェスコの姿に感銘を受け、出家します。

グィード司教

出典:[TrueChristianity.Info]

フランチェスコ達の影響力が強くなることを懸念し、陰謀を計るアッシジの司教。

豪華絢爛な衣装、居丈高な態度などフランチェスコ達とは対照的に描かれ、中世イタリアにおける教会の権威の絶対性がうかがえます。

ローマ教皇インノケンティウス3世

出典:[Alchetron]

中世最大ともいわれる、強力な政治的影響力をもつローマ教皇。

世界史の教科書で聞きおぼえのある人も多いかもしれません。

フランチェスコ以外にも托鉢修道会を認可しています。

イヤーワーム確実の曲

Brother Sun , Sister Moon

聖フランチェスコが吟遊詩のフランス語(プロバンス語)を歌うことが多かったともされることからか、印象的な歌の多い作品です。

 

その中でも、主題歌「Brother Sun, Sister Moon」は一度聴いたらなかなか耳から離れない、イヤーワーム確実な曲。

ローマ教皇ヨハネ・パウロ2世によって「エコロジスト守護聖人」と定められた聖人にぴったりの、シンプルでエコロジカルな歌詞も心いやされます。

 

Little Church

清貧を重んじるフランチェスコの精神を体現した曲。

この歌を口ずさみながら、雪降る中一人はだしで、教会の石壁を積み上げる姿には、親友ベルナルドでなくとも、素直に感動します。

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感想

出典:http://libriscrowe.com/BrotherSun/brosun4.htm

(ネタバレ要素を含んでいます)

聖人の生涯を取り扱いつつも、宗教色はさほど強くないため、多くの人に親しまれる名作です。

緩やかなテンポで進行する物語と、裏表のない心清らかな登場人物が多いため、一見、絵空事のような印象を受けるかもしれません。

しかし、決して、世の不条理や不合理を無視しているわけではないところが、名作といわれる所以かと思います。

 

ラストシーン、フランチェスコ達に心を動かされたインノケンティウス3世は、玉座から降りて言います。

「…あなたたちの貧しさに、私は恥じる。…フランチェスコ、キリストの名において心理を説きなさい…」

そして、フランチェスコの前で床に膝まづいたので、周りの人々は多いに驚き慌てふためきます。

 

ここまでだと、ただのハッピーエンドなのですが…

枢機卿(でしょうか?)の一人が同僚らしき人物に耳打ちします。

心配することはない。これは貧困層の不満を抑えるための、教皇の政治的策略であると。

 

学説上、インノケンティウス3世は、強大な政治力を有した教皇とされます。

若干37歳で教皇に選出されたことからも、その政治的手腕うかがえるわけで、

そう考えるとフランチェスコ達の「フランシスコ会(小さき兄弟の修道会)」が認可されたことは、政治上の必要なパフォーマンスだったのかもしれません。

 

そうすると、フランチェスコは政治の駒として利用されただけなのか?なんて思ったりもするかもしれませんが…、

見方を変えれば、運すらも味方したと言えるのではないでしょうか?

 

とはいえ、本当はどっちが真実かなんてことはわかりません。

ただ、作中で「その静かな歩みが遠い道を行く」とフランチェスコが歌うように、わずかな希望でも、ローマを訪ねない限り、謁見を許され、教団が認可されることもなかったわけです。

フランチェスコの「心をこめればすべては清い」と説く言葉には、キリスト教徒でなくとも、耳を傾ける価値があると思わされます。

 

美しい風景と穏やかなストーリー展開、シンプルで誠実な登場人物たちに心あらわれる名作です。

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