出展:[セレンディピティ ダイアリー]

2004年のアメリカ映画である『ミリオン・ダラー・ベイビー』は、ハリウッド俳優としてもお馴染みのクリント・イーストウッドが監督・製作し、主演も務めた大ヒット作品です。

イーストウッドの25番目の監督作品である本作品は、3000万ドルの低予算と37日という短い撮影期間で製作されながら、完成度の高さと従来のアメリカ映画を一新したことが大変評価されました。

公開当時、イーストウッドはなんと74歳!

還暦を過ぎても尚、進化し続けるイーストウッドの監督としての才能に驚かされる作品でもあります。

本作品は、尊厳死というデリケートな題材を映画の結末部分に用いており、必ずしも万人が賞賛を送ったわけではありませんでした。

宗教や政治思想によっては強い反発があり、各方面で抗議行動や論争が起こったという点でも大きな話題となりました。

また、脚本のポール・ハギスは2年連続でアカデミー作品賞を受賞しております。

2年連続で受賞したのは彼が史上初だそうです!

イーストウッドの役どころは、元カットマンで現在はトレーナーとしてボクシングジムを営んでいる老人です。

“カットマン”とは、止血師のこと。

ボクシングは完全に止血しないと試合が再開できず、それができないとTKO負けしてしまうというルールがあります。

女性ボクサー専門のトレーナーがいるにもかかわらず、マギーがフランキーにトレーナーを依頼したのも、彼のカットマンとしての技術を見越してのことです。

家族に見放された男と、家族愛に見放された女が、ボクシングを通じて強い絆で結ばれていく様を描いた作品です。

これを見たあと、「愛」について考えさせられるような深い内容となっていると思います。

スマホでも視聴可能!好きな映画やドラマを思い切り満喫しちゃおう!
2か月間半、無料で映画・ドラマを視聴する方法
使ってお金をかけずに楽しみましょう!

あらすじ

 

舞台はアメリカ中西部。

フランキー・ダンは、かつて止血係(カットマン)として活躍した後、トレーナーとなってジムを経営していた。

彼は多くの優秀なボクサーを育ててきたが、彼らの身の安全を深慮するあまりに慎重な試合しか組まない上、不器用で説明不足が災いしてビッグチャンスを欲するボクサーたちに逃げられ続けていた。

フランキーのその不器用さは家族にも波及し、実の娘ケイティとは音信不通になっている。

フランキーが手塩にかけて育ててきたボクサーに逃げられたばかりの時、一人の女性がジムへ入門してきた。

彼女の名前はマギー。

ボクサーとして成功しようと、フランキーにトレーナーになってくれるよう依頼する。

マギーはボクサーを目指すには年齢も重ねすぎていることと、女性であるということで、フランキーはマギーのトレーナーになることを拒んでいた。

しかし、元ボクサーで現在はジムの雑用係であるエディ・スクラップ・アイアン・デュプリスが、彼女の素質を見抜き練習に加担する。

そのことが切欠となり、次第にフランキーは毎日ジムに通い続けるマギーをコーチングしはじめる。

そして、練習を通していくに連れ、2人の間には実の親子より強い絆が芽生えて行く。

マギーはフランキーの指導の下でめきめきと腕を上げていき、試合で勝ち続けて評判になりはじめる。

遂にイギリス・チャンピオンとのタイトルマッチにまでたどり着き、フランキーはこの試合で、背中にゲール語で「モ・クシュラ」と書かれた緑色のガウンをマギーに贈る。

タイトルマッチの後も勝ち続け、モ・クシュラがマギーの代名詞ともなり出した頃のこと。

フランキーは、反則を使う危険な相手として避けてきたWBA女子ウェルター級チャンピオン『青い熊』ビリーとの試合を受けることを決める。

この100万ドルものビッグ・マッチはマギーが優位に試合を運んだが、ラウンド終了後にビリーが放った反則パンチからコーナーにあった椅子に首を打ちつけ、マギーは全身不随となってしまう。

 

キャスト

フランキー・ダン:クリント・イーストウッド

出展:[ciatr]

過去に止血師(カットマン)として活躍し、現在ではボクシング・ジムを経営しながらトレーナーとしてボクサーを育てている。

女性ボクサー専門のトレーナーがいるにもかかわらず、マギーがフランキーにトレーナーを依頼したのも、彼のカットマンとしての技術を見越してのことです。

しかし、過去のトラウマからボクサーの安全を第一に考えて試合を組むため、今まで育ててきたボクサーに逃げられ続けてしまっていた。

不器用で言葉足らずであり、頑固者な性格のためか、家族との関係も上手くいかず、実の娘とは音信不通である。

マギーに対しては、次第に娘に対する愛情のような気持ちが芽生え始める。

旧友であるエディ・スクラップ・アイアン・デュプリスとは、もめることも多いようだが絶対の信頼関係がある様子が伺える。

この映画を視聴したい人はこちら!

マギー・フィッツジェラルド:ヒラリー・スワンク

出展:[ciatr]

10代からウエイトレスとして働き、現在も貧乏生活を送っていたが、ボクサーとして成功しようとフランキーのジムを訪れる。

フランキーをも唸らせる頑固な性格の持ち主で、一度言い出したことは絶対に曲げない。

実の家族との関係は非常に悪く、ほとんど崩壊しており、マギーは亡くなった父親からの愛情しか知らずに育った。

フランキーとトレーニングを積むにつれ、信頼関係とともに親子愛に似た愛情を持つようになる。

 

エディ・“スクラップ・アイアン”・デュプリス:モーガン・フリーマン

出展:[ciatr]

フランキーの旧友で、現在はジムの雑用係として働いている。

元ボクサーだったが、試合で負った怪我のせいで片目の視力を失い、ボクサー人生の幕を閉じた過去を持つ。

フランキーと反対に冷静で物腰の柔らかい性格。

マギーが夜な夜なジムで練習をしている様子を見て、彼女の素質を見抜きアドバイスをする。

元ボクサーのため、ボクサーとしての考え方を尊重しており、フランキーの試合の組み方に疑問を感じている。

フランキーの変化を察知して言葉をかけたり、意見をするなど、とても思いやりのある人物。

 

スタッフ

監督・製作:クリント・イーストウッド

脚本:ポール・ハギス

原案:F・X・トゥール

 

感想

出展:[カツラの葉っぱ 大好き!]

最初は、ボクサーとしての成長の物語だと思っていましたが、「愛」をテーマにした大変考え深い作品でした。

見終わった直後は、気持ちが溢れてしまって、しばらく言葉が出なかったほどです。

愛とは一体なんなのか。

この答えは何通りもあると思いますが、この映画の結末も一つの愛の形なのではないかと感じました。

お互いが分かり合っているからこそ、相手がその人だからこそ、頼めることや身を委ねることができるのだと思いました。

出展:[fashion fucsia]

主要キャストの演技力は文句無しに最高でしたが、モーガン・フリーマンの格好の良さは格別でした!

イーストウッドは元々西部劇で活躍されていただけあって、ボクシングの試合シーンの迫力も臨場感があって楽しめました。

イーストウッドは本作品で、アメリカ映画としての異質性を高く評価されているそうですが、私も同感で、彼の作品はどこか日本映画に似ているような気がしています。

抽象的な言い回しが多いように感じましたが、雰囲気が確立しており、すんなりと話に入り込むことができました。

この映画を、「泣ける映画」の一つとしてジャンル分けするには深すぎる内容となっていると思いますので、ご覧になられた際には是非、あなたの「愛」について考えてみてほしいと思います。

スマホでも視聴可能!好きな映画やドラマを思い切り満喫しちゃおう!
2か月間半、無料で映画・ドラマを視聴する方法
使ってお金をかけずに楽しみましょう!