出展:[Yahoo!JAPAN映画]
1999年に制作された奇想天外なストーリーの本作品は、 スパイク・ジョーンズの映画監督デビュー作です。
脚本を手掛けたチャーリー・カウフマンは、この時英国アカデミー賞脚本賞を受賞しています。
「ジョン・マルコヴィッチの頭に通じる穴を見つける」という奇想天外なテーマや、撮影ロケーションにはリンカーン・センターが使われるなど、世間では話題となりました。
主演には『セイ・エニシング』『2012』のジョン・キューザック、その妻役には『チャーリーズ・エンジェル』『メリーに首ったけ』のキャメロンディアスが演じています。
また、カメオ出演でブラッド・ピット、ウィノナ・ライダー、ショーン・ペンも出演しており、大変豪華なキャスティングとなっています。
不思議な体験をしたい方には是非オススメしたい一本です。
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あらすじ
世間から評価されない人形使いのクレイグと、ペットショップ店員の妻ロッテの夫婦は、いつもと変わらぬ平凡な暮らしを送っている。
ある日、いつものようにクレイグは路上で人形劇を披露していたのだが、その内容を通行人に罵倒されてしまう。
収入もほとんど無いような生活だったため、定職に就こうと決意し、就職活動を始めることにした。
クレイグが面接を受けることになったのは「LesterCorp(レスターコープ)」という企業。
そのオフィスは、天井が低くて立つことのできない7階と8階の間(7と1/2階)に存在していた。
そこで働いている社員は皆、かがんで移動している。
そんな光景に驚いたクレイグであったが、そこにファイル係として就職することになった。
仕事に慣れてきた頃、クレイグは同じフロアで働く美人社員のマキシンに一目惚れをしてしまう。
妻帯者であるクレイグであったが、そんなことは忘れてしまったかのように、熱心に口説こうとする。
しかし、マキシンは全く相手にしようとしない。
仕事になれてきたある日、クレイグはキャビネットの裏に隠された扉を発見する。
その扉を開けると、その先には薄暗い穴が続いていた。
クレイグは何かに引っ張られるようにして、穴の中へ入り込んでいく。
辿り着いた先は、15分間だけ有名俳優であるジョン・ホレイショ・マルコヴィッチの頭の中に繋がるという不思議な穴だった。
クレイグはこれを使い、想い人であるマキシンと共に1回100ドルで穴に入れるという商売を始める。
この商売は繁盛するが、このシステムの発案者であるレスター社長などの関係者と接触することになる。
この「マルコヴィッチの穴」という存在が、クレイグの人生の歯車を少しずつ狂わせていくことになってしまう・・・。
キャスト
クレイグ・シュワルツ:ジョン・キューザック
出展:[Ciatr]
世間からその芸を認められないでいる人形遣い。
路上で誰にも見てもらえない人形劇を披露し、毎日を虚しく過ごしていた。
人形劇だけでは収入難のため、定職に就くことを決意し、レスター社のファイル係として就職する。
そこで、妻帯者できありながら同じフロアで働くマキシンに一目惚れしてしまう。
妻ロッテとは倦怠気味であったが、後に嫉妬心を抱く様子から気持ちが冷めてしまっているわけではないよう。
演じているジョン・キューザックは、プライベートを明かさないことでも知られる謎めいた人物。
今回も陰のある役を見事に演じきっている。
ロッテ・シュワルツ:キャメロン・ディアス
出展:[Yahoo!JAPAN映画]
クレイグの妻で、ペットショップで働いている。
動物をこよなく愛しており、自宅ではオランウータンを飼っている。
クレイグから不思議な穴の存在を聞き、一度入ってからその不思議な魅力にのめり込んでいく。
男目線で見たマキシンに惹かれ、自分が男になりたかったことに気がつく。
『チャーリーズ・エンジェル』で知られるキャメロン・ディアスの風貌からは一変し、強めのパーマヘアスタイルが印象的である。
マキシン:キャサリン・キーナー
出展:[あすははれるのブログ]
クレイグが就職したオフィスの同じフロアで働く美人社員。
マルコヴィッチの穴を使って、クレイグと商売を始める。
後に、マルコヴィッチと接触を持ち、穴に入っていたロッテと不思議な体験を楽しむようになる。
ジョン・ホレイショ・マルコヴィッチ:ジョン・マルコヴィッチ
出展:[心を湛かにゆるがせて]
有名俳優。本人役で登場する。
クレイグが発見した不思議な扉の向こう側に繋がっている先は、このマルコヴィッチの頭の中である。
自分の頭の中に誰かが入り込めるということについては理解しておらず、様々な人に脳内を覗かれてしまうし、操られてしまう。
演じているジョン・マルコヴィッチは、頭の中へ入り込んだ人物に合わせて演じ分けを見事にこなしている。
レスター社長:オーソン・ビーン
出展:[Yahoo!映画]
「他人の中に入って行けるこのシステム」を管理している人物。
実はレスター社長の中にはマーティンという人物が入っている。
44歳を迎えるとき、そのときが乗り移れる“その日”であり、マーティンはそれに向けて準備をし、永遠に生きながらえようとしている。
スタッフ
出展:[TAKUMI]
監督:スパイク・ジョーンズ
脚本:チャーリー・カウフマン
撮影:ランス・アコード
感想
出展:[PONYの映画缶詰]
何の情報も得ないまま本編を観ましたが、その内容の奇妙さと奇抜さにすぐに引き込まれてしまいました。
天井が低いオフィスや不思議な扉の先がマルコヴィッチの頭の中であったりと、奇想天外な設定にドキドキして、「マルコヴィッチの穴」の魅力にのめり込んでいく人々に感情移入してしまいました。
スタートから世界観を全面に出して来ている、といった印象で、一言で言ってしまうとややこしいです(笑)
ですが、こういった世界観も全て、「マルコビッチの穴」に入るということは頭の中がグチャグチャになってしまうくらい摩訶不思議なことなのだということだと感じました。
「マルコヴィッチの穴」のシステムについては、少々難しく感じてしまいましたが、ゆっくり紐解いていけば単純明快ですので、考えながら観進めていけます。
そして、今回は何と言ってもマルコヴィッチ。
普段はセクシーさを思わせるマルコヴィッチが、クレイグが頭の中に入り込んだ途端に全くセクシーではなくなるシーンは見物です!
出典:[我想一個人映画美的女人blog]
クレイグは売れない人形遣いなのですが、彼の作る人形や劇のストーリーには独特の雰囲気があり、彼自身も自分の芸に自信があるのです。
しかし、芸術は人に理解されにくいもので・・・クレイグの悲壮感が痛々しいほどです。
ですが、クレイグの人形をマルコヴィッチが操ると注目を集め、話題となります。
「有名人がやれば認められる」と知り、クレイグはどんどんマルコヴィッチにのめり込んでいくのですが、その姿が私にはとても悲しく見えました。
結末はハッピーエンドと言えばハッピーエンドですが、「それって本当に存在していると言えるの?」と、哲学的なことを考えさせられるような内容でもありました。
また、この作品にはカメオ出演で本人役として、ブラッド・ピット、ウィノナ・ライダー、ショーン・ペン、ゲイリー・シニーズ、ハンソンという豪華キャストも出演しています。
このような演出も楽しめる要因のひとつでもあって、観ていて親近感を持ちました。
摩訶不思議な世界を体験したい方には、是非とも一度は観て頂きたい作品です。
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