今『君の名は。』で一躍有名になった新海誠監督の作品。
2007年公開になったこの連作短編アニメーション『秒速5センチメートル』は、アジアパシフィック映画祭「最優秀アニメ賞」イタリアのフューチャーフィルム映画祭で「ランチア・プラチナグランプリ」も受賞しています。
映画『君の名は。』を見る前、見た後でも。
新海誠作品を振り返ってみましょう。
キャッチコピーは、どれほどの速さで生きれば、きみにまた会えるのか。
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秒速5センチメートル:あらすじ
「秒速5センチメートル」は、ひとりの男性の人生を軸にして描かれています。
独立した3本の作品からなる連作短編アニメーションです。
時代は1990年代前半から現代までの日本。
ごく普通の少年が、いくつもの感情と時代を超えて進んでいくドラマがそこにはまっています。
第一話 『桜花抄-おうかしょう-』
お互い親の都合で転校を繰り返していた、遠野貴樹(とおのたかき)と篠原明里(しのはらあかり)は東京の小学校で出会う。
二人共病気がちだった事もあり、外で遊ぶよりは図書館が好きで、いつの間にか仲良くなっていた。
ふたりの間に流れる特別な時間。
このまま同じ中学校に通い、いつの間にか大人になっていくと思っていた貴樹だったが、小学校卒業と同時に明里は栃木へ転校しまう。
中学に上がり、貴樹はサッカー部に入り友人たちと変わらない日々を送っていた。半年が過ぎた夏の日、そんな貴樹の元へ明里から突然手紙が届く。
まだ新しい学校になじめずにいる明里、電車の中や自宅に帰ってから書いた貴樹への手紙だった。
それをきっかけに、文通を重ねるようになる2人。
しかし、その年の冬に、今度は貴樹が鹿児島へ転校することが決まった。
鹿児島と栃木では「もう二度と会えなくなるかもしれない…」そう思った貴樹は、親には内緒で明里に会いに行く決意をする。入念に時刻表を調べ間違えなど無いように準備をしていく。
しかし、その約束の日、関東では大雪となった。
当初の予定は列車の遅延で大幅に狂い、時間だけがただ残酷に流れていく。
連絡も取れず、明里の手紙を握りしめ、どうか家に帰っていてくれと願うしかない貴樹。
とにかく明里との約束の場所に向かうしかなかった……
第二話 『コスモナウト』
鹿児島・種子島の高校3年生・澄田花苗(すみだかなえ)は、クラスメートの貴樹に恋をしていたが告白できずにいた。
しかも、自身の進路についても悩み、趣味のサーフィンでも波の上に立つことが出来ないというスランプに陥っていた。
花苗からは、悩みなどなくまっすぐに自分の人生を進んでいるように思えた貴樹。
そんな花苗に貴樹はこういう。
「迷ってばかりなんだ、俺。できることをなんとかやってるだけ。余裕ないんだ。」
そんな貴樹が卒業後は東京の大学へ行くと知った花苗は、「1つずつこなしていくんだ」と決意し、波乗りに成功。
「波の上に立つことができた」だからこそ今日告白しなければ、今でなければ、この先もきっとずっと言えない、自身の想いを貴樹に告げようと決心する……
出典:http://blog.livedoor.jp/touyokojunrei-yokofuji3/archives/69576275.html
第三話 『秒速5センチメートル』
東京に戻った貴樹は、ただひたすら、仕事に追われる日々。
3年間付き合っていた水野 理紗(みずの りさ)からは「私たちはきっと、1000回もメールをやりとりして、たぶん、心は1センチくらいしか近づけませんでした」
と言われ、自身の心が彼女に向いていないことを見透かされてしまう。
そして、ある朝、ひたすらもがいていた衝動がきれいさっぱり失われている事に気付き貴樹は会社をやめた。
一方、明里には婚約者がいた。
結婚式が迫る日々の中、貴樹宛てに書いた昔の手紙を見つける……
出典:http://www.nicovideo.jp/watch/sm32672097
制作スタッフ
監督・脚本・原作・絵コンテ・演出・キャラクター原案
美術監督・色彩設計・撮影・編集・3DCGワーク・音響監督:新海誠
作画監督・キャラクターデザイン:西村貴世
美術:丹治匠・馬島亮子
音楽:天門
アフレコ演出:三ツ矢雄二
音楽
主題歌:「One more time, One more chance」(山崎まさよし)
1996年にリリースされた山崎の初期代表作で、監督の新海が「大学時代によく聴いていた、一番好きな曲。
挿入歌:「君のいちばんに…」(第2話)
歌:LINDBERG
挿入歌:「あなたのための世界」(第2話)
歌:みずさわゆうき
制作・配給:コミックス・ウェーブ
登場人物
遠野 貴樹(とおの たかき)
声 – 水橋研二出典:https://matome.naver.jp/odai/2143550214061792301/2143555103295696803
主人公。家族は両親のみの一人っ子。小学3年生の春に、世田谷の小学校に親の仕事の都合で転校してきた。その1年後の春に、同じクラスに転校してきた明里と初めて出会う。ともに親が転勤が多く転校続きであったこと、体が弱く、外で大勢と遊ぶよりも図書館で本を読むことが好きだったことを共通点として次第に親しさを増していく。性格は大人しいタイプだが、クラスメイトに自分との仲をからかわれて泣き出しそうになっていた明里を堂々と助けた。種子島では地球ではない惑星上で明里と2人でいる夢をよく見ていて、明里への携帯メールを入力しては送信すること無く消してを繰り返していた。
漫画版では小学校時代に喘息の発作を起こしている描写がある。篠原 明里(しのはら あかり)
声 – 近藤好美(第1話「桜花抄」) / 尾上綾華(第3話「秒速5センチメートル」)出典:https://www.flickr.com/photos/0__01__1/2492163711
貴樹の初恋の相手にあたる少女。貴樹の片想いではなく、幼いながらも両想いの仲であった。貴樹と同じく家族は両親のみの一人っ子。小学4年生の春に、静岡から東京の世田谷に親の仕事の都合で転校し、貴樹と同じクラスになる。貴樹と同じくこの頃は身体が弱く、外で遊ぶよりも図書館で本を読んでいることを好んでいた。そのため貴樹と親しくなるが、内向的な性格ゆえにクラスメイトに貴樹との仲をからかわれても受け流すことが出来なかった。そんな自分を常に守ってくれる貴樹に対して淡い恋心を抱く。
「秒速5センチメートル」では貴樹ではない男性との結婚式を間近に控えている。澄田 花苗(すみだ かなえ)
声 – 花村怜美出典:https://www.flickr.com/photos/0__01__1/2492163711
貴樹と種子島の中学で同じクラスになった少女。家族は両親と、自身が通う高校の教師の姉(声 – 水野理紗)が1人いる。中学2年生の春、東京から転校してきた貴樹に他の男子とは違う雰囲気を感じ取り、恋心を抱くようになる。高校も貴樹と同じ場所にいたい一心で必死に勉強して合格を果たしたのだが、高校3年生になる現在まで告白することは出来ていない。内面に情熱を秘めるタイプで、一途に貴樹を想い続けている。自分の将来が定まらないことに不安を感じ、得意のサーフィンでもずっと波の上に立てないというスランプ状態に陥っていた。自信を取り戻し、再び波の上に立てるようになったとき貴樹に告白しようと決意していた。
漫画版では中学での出会いから高校と描写が細かくなっている。また、本編後に初恋の相手である貴樹への想いを引きずったまま成人した花苗のエピソードが追加されている。水野 理紗(みずの りさ)
声 – 水野理紗出典:https://n2-ch.com/manga-anime-game/byou5/
貴樹と三年間付き合っていた女性。貴樹の退職などの理由もあり、「1000回にわたるメールのやり取りをしたとしても、心は1センチほどしか近づけなかった」と最後のメールに綴って破局した。
新海作品には常連の声優・水野理紗と同姓同名で、声も本人が担当している。水野は花苗の姉役も兼任している。
小説・漫画版では、貴樹との出会いも詳細が書かれており、3人に匹敵する話のキーマンとなっている。
作品の舞台(1例)
出典:http://tomoyan.blog.jp/archives/1038708294.html
実はこの作品は、びっくりするほどロケハンを行い、作品に投影してあります。
その結果が新海誠監督作品の彩と、影を演出しているのでしょうね。
下記にある場所、作品を見た後に巡ってみると、そこにはあなただけが知る貴樹たちがいるのかもしれません。
大人明里が踏切待ち 日本, 東京都渋谷区千駄ヶ谷5丁目27−11
駆け下りる坂 日本, 東京都渋谷区代々木4丁目5−1
一話の踏切 日本, 東京都渋谷区代々木3丁目58−7
最後の踏切 日本, 東京都渋谷区代々木5丁目58−7
朝もやのガード下 日本, 東京都渋谷区代々木3丁目52−7
公園前三叉路 日本, 東京都渋谷区代々木4丁目12−5
とろけるようなアスファルト 日本, 東京都渋谷区代々木神園町3
一話の踏切 日本, 東京都渋谷区代々木4丁目8−1
家の横の階段 日本, 東京都渋谷区代々木5丁目40−5
庚申塔 日本, 東京都渋谷区初台1丁目44−15
神社前のT字道 日本, 東京都渋谷区代々木5丁目2−13
ミミのいた場所 日本, 東京都渋谷区元代々木町 首都高速中央環状線
工事中の大通り 日本, 東京都渋谷区代々木5丁目10−7
新宿遠景 日本, 東京都豊島区東池袋3丁目1−1
三話のスナップ 日本, 東京都板橋区舟渡2丁目26−2
三話のスナップ 日本, 埼玉県戸田市新曽南3丁目7−31
感想
出典:https://www.youtube.com/watch?v=aVprFtRrjzE
以下ネタバレを含みます。
最初1度見たときはなんて辛い映画なのだろうと衝撃を受けました。
美しい背景、貴樹の気持ちを汲み取るような音楽。
すべてはラストのハッピーエンディングのための布石。
と思って第3話を見ていると、ただただ悲しい、別れの映画。
そう思いました。
誰一人、救われない気持ちを切り替えたのは明里だけ、やはり女性はそんなものか、そう思った映画でした。
でも2回目を見直してみると実は違ったんです。
これは、恋愛を悲しむ映画ではなく一人ひとりの人間が人生を進んでいく物語。
明里は貴樹との寂しい思いを乗り越えて、幸せな結婚生活を迎える。
花苗は貴樹との出会いで、乗り越えることを学びました。
そして貴樹は…明里との思いでを引きずっていたわけではないのです。
現に、ちゃんと恋愛もしていました。(別れましたが…)
別れた理由は明里を引きずっていたからではなく、仕事に追われ、周りが見えなくなった。
仕事を辞めたのは理沙を失った悲しみがあると思っています。
そして、その悲しみ、寂しさが明里を思い出した。
出典:https://matome.naver.jp/odai/2140218366946371101/2140222733978354703
最後のシーン、すれ違ったあと貴樹は笑いました。
思い出の中の、桜の花、明里との別れ、きっとまた前へ歩き出せる。
失うこともある人生で前を向いて歩いていく『ごく平凡な、誰にでもある人生』
そんな物語を美しく描いた作品でした。
以下新海誠監督のコメント抜粋です。
我々の日常には波瀾(はらん)に満ちたドラマも劇的な変節も突然の天啓もほとんどありませんが、それでも結局のところ、世界は生き続けるに足る滋味や美しさをそこここに湛(たた)えています。
現実のそういう側面をフィルムの中に切り取り、観終わった後に、見慣れた風景がいつもより輝いて見えるような、そんな日常によりそった作品を目指しています。
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