山田孝之さん主演の作品です。
様々な役柄をこなす山田さんが今作品では、ジャーナリスト。
そしてこの作品はノンフィクション作品です。
始めに言っておきます。
観て気持ちのいい映画や、恐怖を楽しむ映画ではありません。
映画として楽しむものですらないのかもしれません。
ですが、この物語は実際にこの国で起こった犯罪の物語です。
気軽な気持ちでは観きれない、真実の物語なんです。
それをわかった上で、観たい方はどうぞ。
知りたくない方は他の記事を見た方が映画ライフは充実すると思います。
キャッチコピーは知るべき闇は、真実の先にある。
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凶悪:あらすじ
スクープ雑誌『明潮24』で雑誌編集を行っている藤井修一。
他の担当者はスクープを追う事を主に行っているが、修一にはあまり重要性が無いように思えた。
だからこそ彼は、地道に足で取材を重ね、真実を追求する。
それが彼にとってはジャーナリズムであり、正義だ。
ある日、編集長の芝川に一通の手紙を渡される。
そこに書かれていた内容は見るのも耐え難い内容だ。
その内容を確認するべく、彼はある場所に足を運んだ。
『東京留置所』そこに収監されている死刑囚・須藤純次。
面会室で出会った須藤の第一印象は礼儀正しい死刑囚。
最高裁で上告中の彼は誰にも話していない余罪を告白すると言ってくる。
なぜわざわざ世間に明るみにされていない犯罪を告白する気になったのか
理解のできない修一。
すると須藤は
「どうしても許せない奴がシャバ(外の世界)にいるんです」
「そいつがのうのうとシャバで生きてるのが許せない、自分の話を記事にしてもらってその人を追いつめたい」
妙に真実味のある目をする彼に修一は話を聞き出します。
余罪の内容は3つ
淡々と余罪を告白していく彼だが
いずれも須藤の内容は不明な点が多すぎる。
だが、須藤の言葉には、犯罪を犯した。だが、殺した相手には興味など無いので名前も不確か・・
そんなリアリティのある内容だった。
話を聞き家に帰り着いた修一だが、家では認知症の母親と疲れ切った妻が待っていた。
夫婦関係は最悪。
翌朝、須藤の話を報告書にまとめ、編集長に見せるが『まるで犯罪小説』『あたりまえ過ぎて、記事になんない』と突っぱねられ
再び須藤の元へ記事の話を断りにいく。
記事にはできない。
その言葉を発した瞬間、須藤は不安げな表情になり身の上を泣きながら語りだした。
『どうせ死ぬなら綺麗になって死にてぇ、明るみになっていない事件を解決しなかったら被害者の方が浮かばれない』
そういいながら頭を深々と下げる須藤。
そんな彼を見た修一は会社に黙り、独断で調べ始める。
須藤から送られてきた地図を見て修一は新たに動き出す。
向かった先は何もない空き地。
そこで周辺の聞き込み、なにかが引っかかる・・
可能な限り証拠隠滅を行っている『先生』という人物。
須藤の新たな情報によりさらにこの事件へとのめりこむ。
信憑性が増し、修一は編集長に話を通す。
だがやはり
『確かに本物かもしれないが、なんの物証も無しに記事にして責任とれんの?』
さらには須藤に記事にできないならなんで話を聞きに来てるんだと凄まれ。
家に帰るとそこには母と嫁がケンカをしている。
様々なわだかまりが、修一の何かを変えていく・・
再び須藤のもとへ来た修一。
前回と違い、須藤はとても落ち着いている
『取材を続けてくれるんですね』
だんだんと修一は須藤の気持ちに共感し、笑いあう事もあった
そんな中で、修一はついに見つける。
すべての始まり『先生』がいた(株)木村商事を・・・
キャスト
藤井修一:山田孝之
明潮24のジャーナリスト。会社に黙って勝手に事件を調べる。
若手実力派俳優の山田孝之さんです。
彼の演技が好きで、出演されている映画・ドラマをチェックする過程でこの映画に出会いました。
悪役でもなくコメディでもなく、ただ本当にいた普通の人の役。
そんな難しい役を狂ったように熱演する山田さんは、やはり実力派といえるでしょう。
須藤純次:ピエール瀧
死刑囚、先生を慕い共に犯罪を犯した人物。
だが、特定の人物からは、憎めない素直なやつとして好かれていた。
最近では俳優としての活動が多いピエール滝さん。
表情のやさしさからか、優しい役柄が多いイメージでしたが、うって変わり死刑囚。
ですが監督さんがこの役をピエールさんに任せたのが納得します。
上記でもあるように、凶悪な犯罪者ですが、一部の人には愛されていたんです。
そのときの笑顔や、狂気に満ちた表情など、やはりこの方だから出せたリアル感がありますね。
木村孝雄『先生』:リリー・フランキー
死の錬金術師と言われた男。
リリー・フランキーさんがこんな怖いとは思いもしなかった。
映像で見るリリーさんは、純粋に楽しんでいるように見えましたね。
この木村役が完全にはまってしまったというか・・
ほんとにぞっとする怖さでした。
制作スタッフ
原作:新潮45編集部編『凶悪 -ある死刑囚の告発-』
監督:白石和彌
脚本:高橋泉、白石和彌
製作:鳥羽乾二郎、十二村幹男
エグゼクティブプロデューサー:由里敬三、藤岡修
プロデューサー:赤城聡、千葉善紀、永田芳弘、齋藤寛朗
アソシエイトプロデューサー:小室直子、小松直之
ラインプロデューサー:大日方教史
音楽:安川午朗
撮影:今井孝博
美術:今村力
照明:水野研一
録音:浦田和治
編集:加藤ひとみ
衣裳:小里幸子
ヘアメイク:小山徳美
音響効果:柴崎憲治
助監督:茂木克仁
制作担当:小川勝美
キャスティング:田端利江
製作:日活、ハピネット
制作:フラミンゴ
制作協力:カズモ、ディーライツ
企画協力:新潮社
配給・宣伝:日活
共演者によるインタビュー
以下共演者3人のインタビュー記事を抜粋します。
山田孝之
山田は、「藤井の感情に合わせて、11段階くらいの変化をつけて演じた」と明かす。
出演を即決した。「最初に藤井のキャラクター、それからリリーさんと瀧さんとの共演だと聞き、脚本を読み終わってすぐ決めました。やりたい、この作品に携わりたい、これは世に出さないといけないものだと思いました」と振り返る。
「『凶悪』に関して言えば、実際に起きた事件であり、ということはこれからも起こりかねないということ。それは保険金殺人だけでなく、藤井の家庭が抱える母親の問題もそう。エンタテインメントとしてだけでなく、そうした問題を意識させるという要素が強かった。藤井という役をやってみたいけど本当にできるのか? という思いもあったし、2人との共演も決めた要素のひとつ。全てをひっくるめて魅力的に思えました。もちろん、そうした要素は多い方がいいですけどね」。
ピエール瀧
「実際にモデルとなった人は拘置所にいるし、被害者も遺族の数も半端ない。演じるということは、そういう方々とつながりを持つということ。正直、嫌でしたよ」と迷っていたが、リリーから電話が来た。「『どうする?』って言うから『迷っている』と正直に言ったんだけど、『いいよいいよ、大丈夫。やっちゃおう』って感じで悪の道に引き込まれた(笑)」
「結局、ここに出てくる人たちって目的のために手段を選ばないというか、何かを顧みないんですよね。藤井は事件を追うという仕事のため、家庭を顧みない。先生と須藤はお金のために社会規範やモラルを顧みない。2人のやっていることは犯罪であり有罪で、藤井が家庭を顧みないのは無罪。でも、どっちも他人の生活をグチャグチャにしている。そうしたところに飛び込んでみる、自分のポジションを顧みないでやってみるのも面白いかなと思いました」
リリー・フランキー
「実は僕自身、ものすごい悪人を演じたという感触が希薄なんですよ。そしてそれは、先生の言いぐさそのものなんでしょうけどね」と明かし、「先生と須藤は、何の前振りも説明もなく、いきなり殺人者になっているんだよね」
「疑似とはいえ、ふざけながら人を殺していることが徐々に楽しくなっていった」と同調する。「実際に先生は、笑いながらやったんだろうなと感覚的に思いましたね。日常で僕たちが普通に楽しんでいるのと変わらなかったんじゃないかなと思えるんです。世間話をして盛り上がるように。徐々に加速して、いろんなことが日常化していったんだろうな」
感想
ここまで読まれた方はおそらく興味があるんでしょうね。
わたくし自身、この記事を書きながら再び『凶悪』という作品を観てみました。
最初ほでではないにしろやはり気分のいい作品ではありません。
ですが、最初よりピエール瀧さん演じる須藤が悪だけではない気がしましたし
山田さん演じる修一が不憫に思えた箇所もありました。
インタビューであるように三人ともこの作品を楽しんでいた。
こう書くと語弊もあると思いますが、少なくとも役者として、この作品を愛し
それに呼応するようにすべてを出し尽くし役にあたっていたんだと思います。
このようなノンフィクション作品が、世に広まる事が悲しく思える反面。
そこで生きている役者さんたちが素晴らしいと思える作品でした。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
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